世界の作り方を教えてください。

生まれてから冷たくて暗いところにいました。周りはいつもモヤがかかりただただ進むだけの場所。ずっと長い間この迷路を歩いてきて立ち止まって周りを見渡した時、やけに足が重いことを知りました。足には大きな重りがついています。でも僕は「みんなにもあるんだろう」と思って歩きます。ある時、道を踏み外して外へ転げ落ちました。そこは真っ暗で何もなくただただ冷たい海の底のようでした。見上げるとキラキラしています。お人好しな誰かさんが僕の手を引き「君の道はあっちだよ」と教えてくれました。僕はお礼を言って頭を下げた時、ふと気づきます。あれ?この人には重りがない、なんでかな?。「あの、僕に付いてる重り、君にはないんですか」そう尋ねると、「ある人もいるみたいだけど、僕にはないよ。」と教えてくれました。もう一度お礼を言って自分の道へ戻ると、今度は自分の道はひどく狭いことに気が付きました。だから僕は試しに近くの暗闇に白い線を引いてみました。白い線はどんどん伸びて道になっていきます。広くて明るくてどこにでも自分でかける道です。そこに足を踏み入れるとまわりがぱぁっと明るくなり「世界は広い」ということを目で感覚で認識しました。あまりの広さに僕は嬉しくて飛び跳ねた時、自分の足に重りがないことに気づき、初めてその時「生きる」を知ったのです。なんとなく抱えていた不安から解き放たれた心は波打ち瞳から水が溢れキラキラと輝く宝石のようにこぼれ落ちました。感情はこういうことを言うのでしょう。僕には心がありました。とたんに僕はさっき助けてもらった君に会いたくなりました。せっせと道を描き、君に会うために走ります。目の前にふわふわと漂う美しい花吹雪が現れてその先に笑顔で手を振る君が見え、そのあまりの愛おしさに言葉を失いました。君を見ていると悲しいのに嬉しくて儚いのに欲しくて手を伸ばしたい。この君への想いは愛でした。この感情は愛でした。僕は愛を知りました。でも、同時に君が手を振る先が僕でないことに気づいてしまったのです。君は違う誰かに微笑んでいました。僕と目が合っても「?」という顔をするだけで覚えていないようです。その時、身体中に電流が走った気がしました。僕はその誰かをそして君を引き離したく、そしてもう見たくないと思いました。僕はこうして憎しみを知ったのです。ひどく心が揺れました。体の中から暗闇が広がる感覚、このままではいけないと思うのにおさまらない気持ちに苛立ちます。ああもうおしまいだなと感じました。

僕は人間になりました。そうして僕はその事実のあまりの重さに受け止めきれず唖然としました。なので、もう誰にも会わないようにしようと決意します。またひとりの道とひとりの世界になりました。でも今度は明るくて広い輝く世界を独り占めという感覚でした。

僕は僕だけの道を歩くことにして永遠の旅を始めるのです。